152 臼子石
- 5
- 1
哀しい伝説が伝わる十王の臼子石。
十王スポーツ広場のグランド北側に、友部の上台へぬける細い山道があります。その道の傍らにある小さな石臼に伝わる話です。
昔、その近くの家で生まれたばかりの赤子が亡くなったことがありました。生まれたばかりなので、お墓ではなく家の近くへ埋めて、そこに石臼を置いてとむらったそうです。しかし、子どもを思う母親は毎日毎日山へ行って木の実を拾い、石臼で引いて赤子にたべさせようとするのです。かわいそうになった村の人々は、石臼をお寺に預けました。
それでも母親は石臼のあったところへ来ては、石臼は、石臼はと泣くのです。寒い冬になっても来るので、困ってしまった村人たちは石臼を元の場所に戻しました。
それからは木の実のダンゴを作っては子どもに食べさせようとする母親の姿が見られたそうです。
真ん中がくぼんでる小さな石臼が今に残っています。そのあたりの地名を『臼子』といいます。
-ふるさと日立検定 公式テキストブック改訂版
Albums: ディープ日立
Favorite (5)
5 people have put in a favorite
Comments (0)
"No comment yet, please write the first comment.
To make comments on artworks, click Login. User registration here.