スプレッドや各社の豪華キャンペーンに比べると、「約定力」はあまり目立たない要素ですが、FXで勝つためにはかなり重要な要素です。
「約定力」とは、トレーダーの注文を意図したとおりに正しく処理する能力のことで、FXではこの約定力が高ければ、狙った価格での注文がしやすいことから、重要視すべきポイントのひとつとされています。
約定力はスキャルピングやデイトレードといった短期売買の損益に関わるとても重要な要素なのですが、初心者はスプレッドや通貨ペア数に目が行って、意外に見落としがちです。
今回は、そんな重要な要素である「約定力の大切さ」について徹底解説していきます!
さらに、よくFX業者がアピールしている、
といった謳い文句の実態についてもメスを入れ、間違ったFX業者選びをしないためのポイントも解説。
約定力に定評があるとされているFX会社を比較し、本当におすすめな業者を「約定力の高いおすすめFX会社ランキング」として、ランキング形式でご紹介していきたいと思います。
それでは最初に、約定力が重要とされる理由を確認していきましょう。
FXで約定力が大切な理由とは?

おさらいとなりますが、「約定力」とは注文を自分が意図したとおりに正しく処理する能力のことです。
スプレッドが狭いことを大きくアピールしているFX会社は多いと思いますが、約定力について言及している会社はそれほど多くありません。
しかし、FXではスプレッドと同じくらいに「約定力」も非常に大切なポイントです。
約定力が低いFX業者だと、取引中に次のようなことが実際に起こるリスクがあります。
- 注文した価格と実際に約定した価格が異なる
- 利益喪失・損失拡大
- 取引したくても注文が行えない
約定力が低い会社を使えば、最適な価格で注文したはずなのにされていない、損切りしたくても出来ずに損失が増え続けていってしまうなんてことも起こりえます。
こういった理由から、同じスプレッドの狭さだったとしても、約定力の高い会社を利用するほうがよりFXに勝ちやすくなるのです。
では、約定力とはどういった観点で判断すれば良いのでしょうか。
一般的に約定力の良し悪しは、次の主な要素から判断されます。
- 約定拒否の頻度
- 応答速度の速さ
- スリッページの頻度
特にこれらはスキャルピングやデイトレードといった短期売買の損益に関わるとても重要な要素なのですが、初心者はスプレッドや通貨ペア数に目が行って、意外に見落としがちです。
これらのリスクの中でも「注文した価格と実際に約定した価格が異なる」、いわゆる「スリッページ」には特に注意が必要といえるでしょう。
スリッページを回避する重要性
スリッページが発生する原因には、以下の要素が影響しています。
- ネットワーク回線の速度
- FX業者のサーバー処理
- FX業者の注文執行方法
- カバー取引の精度とスピード
これらの要素はFX会社の取引システムの質や、カバー取引先銀行の数に大きく左右されます。
そして、これらは先ほどお見せした約定力の良し悪しの要素とほぼ同一です。
そのため、スリッページの多い少ないが、そのままFX業者の約定力を測る重要なモノサシの一つとなる訳です。
しかし、「レート」「チャート」「スプレッド」などはトレーダーが実際に目で見ることができますが、「約定力」だけはどう頑張っても見ることはできません。
そこで、参考になるのが「約定率」などのFX業者が公表しているデータです。
FX業者が公表している「約定率」とは?

「約定力」と「約定率」は、同じような意味で捉えがちですが、中身は全く異なります。
FX業者が公表しているデータには「約定率」がよく使われます。
これは、トレーダーが取引画面で発注した注文が、「約定拒否」「価格再提示」されず約定した割合のことで、ここにスリッページ発生率は含まれていません。
つまり
約定力→「総合力」
約定率→「スリッページの有無に関わらず、とにかく約定はしたというデータ」
ということになりますね。
スプレッド同様、スリッページも取引コスト!
FXの取引手数料は無料が一般的です。
しかし、スプレッドは各社バラバラ。
そのため、スプレッドがいくら狭くてもスリッページが多発するようでは、トータルコストが割高になってしまいます。
つまり、スリッページも取引コストと考える必要があります。
これを「買い物」でたとえると
ようなものです。
割引価格(スプレッド)よりも電車賃(取引手数料・スリッページ)が上回ってしまえば意味がありません。
少し高くても、歩いて近所の八百屋に行った方が結果的にお得といえます。
約定力を意識してFX業者を選ぶ際は、最低でも「スプレッド」「取引手数料」「スリッページ」の3つの取引コストも意識しましょう。
FX業者の公表データで注意するポイント
FX業者の公表データやアピールポイントを見る際には以下の2点に注意しましょう。
- 「約定率」と「スリッページ発生率」はセットで考える
- 取引コストは「スプレッド」「取引手数料」「スリッページ」の3つ
しかし、公表値や調査会社のデータは、FX業者に都合の良い過去のデータだけをいつまでも公開していたり、口コミも負けた人が業者の悪評を腹いせで述べているだけだったりするので注意が必要です。
約定力の高いFX会社比較ランキング【最新版】

約定力の大切さを見てきたところで、ここからは「約定力の高いFX会社ランキング」をご紹介していきます。
今回のランキングは、約定力に定評があるとされるFX業者各社の公表データをベースに、FX歴10年のプロトレーダーである私がそれぞれの会社の総合力を比較しながら
「約定力が高く、トレードがしやすい総合的におすすめなFX会社」をランク付けしました。
会社名 | コメント | ドル円 スプレッド | ユーロ円 スプレッド | 最低取引単位 |
---|---|---|---|---|
マネーパートナーズ | 11年連続約定力No.1 約定力で選ぶならココ!! | 0.3 | 0.4 | 10,000 |
OANDA Japan | 約定率100%で約定拒否は無し 約定力に加えて情報量も◎ | 0.3 | 0.4 | 1,000 |
ヒロセ通商 | 高約定率もスリッページは発生 キャンペーンの豊富さは国内随一 | 0.2 | 0.5~1.4 | 1,000 |
JFX | ヒロセ通商と同程度の約定力 よりスキャルピングに特化したFX会社 | 0.2 | 0.5~1.4 | 1,000 |
それでは早速ランキングを見ていきましょう。
第1位 マネーパートナーズ(PFX)

- 11年連続「約定力 第1位」の実績アリ
- オリコン顧客満足度「FX取引」部門で5年連続1位!
- 利用者満足度が他社に比べて高く、トレーダーに評価されている
「マネーパートナーズ(PFX)」は総合的に見て、かなり約定力と信頼性が高いFX会社です。
約定力は業界トップと言っても過言ではなく、約定力を第一に優先したい人はマネーパートナーズがおすすめです。
マネーパートナーズの約定力に関する公表データは以下のようになっています。
- 11年連続約定力No. 1
- すべらない(スリッページがない)
- 提示レートに関する方針がしっかりしている
- 5年連続「FX取引」顧客満足度No.1
驚愕の11年連続約定力No. 1

まずは以下の表をご覧ください。

これは、矢野経済研究所が実施したFX業者7社の約定力に関する比較表になります。
時期は2018年末の2日間で、各日1時間程度の間に米ドル/円のストリーミング注文で取引をした結果です。
スリッページと検知する設定が「1pips」という極小さい値にもかかわらず、スリッページ発生率0%、約定拒否発生率0%、提示価格での約定率100%は驚異的です。
他社は良くても95.0%でスリッページはどこもそれなりに発生していることから、マネーパートナーズの約定力の高さがより際立って見えます。
調査要綱はコチラ
(1)調査の目的
・主要FX会社における、FXサービスのスリッページ発生率・約定率等の調査
(2)調査日程
・2018年12月上旬(2日間)
(3)調査時間
・日本時間の20時~21時の1時間程度
(4)調査対象通貨ぺア
・USD/JPY
(5)調査対象
・矢野経済研究所「2017年版FX(外国為替証拠金取引)市場の動向と展望」より
2016年度(2016年4月~2017年3月)の有力企業のうち任意に抽出した7社を選定
(6)調査の方法
・マーケット注文(ストリーミング)で、買(新規)⇒売(決済)を繰り返す
・1日50回の買い注文・売り注文の計100約定 × 2日=200約定
・発注単位は1万通貨単位
・調査においては、スリッページ許容設定のある会社は、「1pip」に設定
・調査の精度を向上させるため、同スペックのPC、インターネット回線を使用
・「パートナーズFX」を使用
提示レートに関する方針
マネーパートナーズ(PFX)は、提示レートに関する方針でも、
と明言しています。
マネーパートナーズはカバー先金融機関が18社にも及ぶため、安定した約定が期待できるのもあり、スリッページが起こりにくい仕組みになっているのです。
また、2021年現在、大きなシステム障害を起こした事例もなく金融庁からの行政処分も無いというのも安心して取引できる点といえます。
提示レートに関する方針
1.提示レートに関して
当社がお客様に提示するレートは、当社の取引提携金融機関(以下「カウンターパーティ」といいます。)から配信されたレートをもとに、インターバンク市場の実勢レートを考慮した当社のレートです。
経済指標発表の前後などインターバンクにおいてスプレッドが拡大する場合には、お客様への提示レートのスプレッドも拡大することがありますが、これはインターバンクでのスプレッド拡大に合わせたものであります。当社では、インターバンクと乖離した形で著しくスプレッドを拡大することはございません。当社がお客様に提示したレートは、原則として約定拒否することなく約定いたします。
2.スリッページに関して
ストリーミング注文におきましては、リアルタイムで提示レートが変化しておりますが、お客様がクリックした瞬間のレートにて約定いたしますので、スリッページが発生することはありません。ただし、当社が提供する商品のうち「パートナーズFXnano」につきましては、お客様が注文時に設定したスリッページ許容範囲内で約定することがあります。
5年連続「FX取引」顧客満足度No.1
そして、極め付けが「オリコン日本顧客満足度「FX取引」ランキング5年連続No.1」です。
こちらはFX業社43社、回答者数6,676人の大規模調査で、ヒロセ通商やDMM.com証券、GMO クリック証券などを抑えてNo.1を獲得しています。
今回5年連続No.1になった「FX取引」の項目の他、「取引手数料」・「提供情報」・「問い合わせ」・「取引のしやすさ」・「システムの安定性」の評価項目・部門でも顧客満足度第1位を獲得するという無双ぶりを発揮しているのもぜひ注目したい点です。
第2位 OANDA Japan

- 約定率は100%で約定拒否は無し
- スプレッド競争よりも取引環境に注力している
- スリッページの発生はゼロではない
第2位は「OANDA Japan」です。マネーパートナーズほどほど約定力は高くありませんが、情報量はOANDA Japanが勝ります。
約定力に加えて、FX会社の提供する情報量も優先したいという方におすすめです。
「OANDA Japan」は以下のように公表しています。
- 11年連続約定力No. 1
- すべらない(スリッページがない)
- 提示レートに関する方針がしっかりしている
- 5年連続「FX取引」顧客満足度No.1
「約定率100%」とは公表されていますが、マネーパートナーズと違って「スリッページなし」とは言っていません。
100%約定はするが、不利な価格で約定する可能性はもちろんあるということですね。
なお、OANDA Japanは先述したマネーパートナーズのようにスリッページに関するデータは公表されていません。
ですので、マネーパートナーズと比べると、信ぴょう性は劣るというのが正直なところです。

第3位 ヒロセ通商(LION FX)

- 約定率は「99.9%」と高水準
- 約定力が大事なスキャルピングを公認
- 約定力の調査結果を公式HP内で公表
第3位は「ヒロセ通商(LION FX)」です。約定率は99.9%とランキング上位の会社に負けず劣らずの約定力を持っています。
ヒロセ通商は約定力もさることながら、キャンペーンの豊富さも随一です。約定力に加えて口座のキャンペーンの豊富さも両立したいという方におすすめの会社ですよ。
ヒロセ通商は「約定率99.9%」と公表していますが、その裏でスリッページが比較的多く発生するのも確かです。
しかし、総合的なスペックはかなり優れているため、選択肢の一つとして入れておきたいFX会社であるといえます。
「約定率99.9%」の実態

以下の表は、矢野経済研究所が2名体制で1日1時間半程度、米ドルのストリーミング注文を3日間に渡って調査した結果なので、かなり限定的な調査です。
調査結果にはスリッページの発生状況も公表されています。下の画像右下の水色部分の箇所に注目下さい。

色々と数値が載っていますが、要約すると100回に3回はスリッページが発生し、そのうち約50%は不利な価格で約定するということです。
矢野経済研究所は、マーケティング会社としては知名度があるので、その会社の調査であれば、いかに規模が小さい調査結果であっても「約定率99.9%」のような見栄えの良い広告にすることができるのです。
またスリッページに関する悪い結果は当然大々的に公表するはずもありません。
ちなみに昨年の実施結果ではスリッページ発生率は約12%となっていたので、スリッページの発生率自体は改善されていることが分かります。
↓昨年の調査結果(右下水色部分のスリッページ発生率に注目)

調査要綱はコチラ
■調査の目的
・ストリーミング注文で、売買時の約定率を調査する(1日150売買の350約定×2日=700約定×2名=1400約定)
■調査の時期と期間
・2018年12月4日(火)~12月5日(水)の2日間
■調査時間
・日本時間の21時~22時のうち1時間程度
■調査の対象システム
・LION FX
■調査方法
・どのような相場でも、ドル買(新規)⇒ドル売(決済)=1往復取引とする
・スリッページの設定は、「10」に設定(1銭)
・LION FXインストール版で取引
・取引単位は「10」Lot (1万通貨))
第4位 JFX(MatrixTrader)

- 約定率は「99.9%」と高水準
- 約定力が大事なスキャルピングを公認
- 約定力の調査結果を公式HP内で公表
第4位は「JFX」です。ヒロセ通商の関連会社という事もあり、口座の性能は似た仕様になっています。
JFX社長の小林氏のTwitterではスキャルピングのトレード結果を逐一発信していたりと、会社としてスキャルピング歓迎を公にしており、よりスキャルピングに特化した会社を選びたい人におすすめです。
⇒スキャルピング手法やスキャルピングのおすすめFX業者についてはこちら
「JFX」では「約定率99.9%」と公表しています。
JFXはヒロセ通商の関連会社なので似たような約定率を公表していますが、実際の測定ではかなり異なった結果が出ました。
ヒロセ通商よりも約定力は低い

以下の画像は、矢野経済研究所が1日1時間程度、米ドルのストリーミング注文を3日間に渡って調査した結果です。
JFXとヒロセ通商は関連会社で調査期間・調査時間は異なりますが、ほぼ同じ調査です。
比較すると約定率は確かに99.9%と同じ結果ですが、JFXの方がスリッページ発生率・不利な価格での約定ともに、ヒロセ通商より悪い調査結果となっています。

上記の数値を要約すると、100回の取引のうち約15回スリッページし、そのうちの約50%は不利な価格で約定するということです。
約定力の高さという点ではヒロセ通商に軍配が上がるという事が分かりますね。
ちなみにJFXも昨年の調査結果があり、昨年はスリッページが3%台と良好な数値を計測していました。
ヒロセ通商とは相反して、調査結果が悪化してしまい、来年の再起に期待がかかります。
※ ↓昨年の調査結果

調査要綱はコチラ
■調査の目的
・ストリーミング注文で、売買時の約定率を調査する(1日約234約定×3日=700約定=350売買)
■調査の時期と期間
・2019年8月5日(月)~8月7日(水)の3日間
■調査時間
・日本時間の20時~21時の1時間程度
■調査の対象先
・JFX:MATRIX TRADER.NET version
■調査方法
・どのような相場でも、ドル買(新規)⇒ドル売(決済)=1往復取引とする
・スリッページの設定は、「10」に設定(1銭)
・.Net版で取引
・取引単位は「10」lot(1万通貨)
約定力の高いFX会社ランキング まとめ
今回は、約定力の高いおすすめFX会社ランキングをご紹介してきました。
いくらスプレッドが狭くても、スリッページが頻発してしまうFX会社であればトータルでのコストは高くなってしまいます。
特にスキャルピングなどの超短期売買では約定力が低いと、注文したい価格で注文が行えないため、優先順位を高めたい要素のひとつです。
スプレッドの狭さや、キャンペーンの豊富さに目が行きがちになってしまいますが、約定力も取引の上では欠かせない要素ですので必ずチェックを怠らないようにしましょう。
数あるFX会社の中でも、約定力で選ぶなら「マネーパートナーズ」が一番のおすすめです。
11年連続約定力No.1の実力は伊達ではなく、実際に利用しているトレーダー達の評価の高さがオリコン満足度5年連続1位を証明しています。
FX会社は数多くあれど、約定力をはじめとした口座のスペックは折り紙付きで、持っていても損はない口座と言えるでしょう。
今回調査してきた会社は、スプレッド設定はどの会社も同程度の水準でしたが、実際の約定力はかなり変わってきます。
いざ取引となった時に後悔しないために、約定力もきちんと見たうえで口座選びを行いましょう。
会社名 | コメント | ドル円 スプレッド | ユーロ円 スプレッド | 最低取引単位 |
---|---|---|---|---|
マネーパートナーズ | 11年連続約定力No.1 約定力で選ぶならココ!! | 0.3 | 0.4 | 10,000 |
OANDA Japan | 約定率100%で約定拒否は無し 約定力に加えて情報量も◎ | 0.3 | 0.4 | 1,000 |
ヒロセ通商 | 高約定率もスリッページは発生 キャンペーンの豊富さは国内随一 | 0.2 | 0.5~1.4 | 1,000 |
JFX | ヒロセ通商と同程度の約定力 よりスキャルピングに特化したFX会社 | 0.2 | 0.5~1.4 | 1,000 |
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