ベトナム社債の利回りは?仕組みや市場規模・リスクや課題を解説!

ベトナム社債とは?仕組みや利回り、リスクや市場の課題を解説!

中国に替わる新しい生産・輸出拠点として近年飛躍的な経済成長を続けるベトナム。

年平均6%前後というGDPの急速な成長に伴い、ベトナム証券市場への投資が外国人投資家の関心を得ています

既に人気の株式に加えて、ベトナム社債も年率10%程の高利回りが期待できる金融商品ですが、社債市場はまだ規模が小さく、流動性の低さや正確な情報の不足、市場の不透明性などが懸念材料でもあります。

そこで本記事では、ベトナム社債の仕組み・利回り・リスク・社債市場の課題などについて分かりやすく解説していきます。

目次

ベトナム社債の概要

ベトナム社債は、ベトナム企業が事業や設備投資などのための資金調達の手段として発行する有価証券の一種です。

社債の発行体企業は、社債を購入した投資家に対して定期的に利子を支払い、満期が来れば投資元本を償還します。

市場規模と動向

ベトナム社債の市場規模は、ASEANの中ではまだ小さいものの、ここ10年で非常に大きく成長しています。

ベトナム社債市場が急激に拡大している理由は、同国の力強い経済成長に伴い企業の資金需要が高まっていること、高い利回りに惹かれて外国人投資家が増加していること、債券市場に関する法制化が進み透明性が向上しつつある事などが挙げられます。

2022年を基準とすると、ベトナムの社債市場規模は未だ同国GDPの10%前後に留まっているため、今後も十分拡大余地のある市場と考えられるでしょう。

市場の仕組みと債券の種類

ベトナム社債の種類は、債券タイプ・発行方法・担保の有無などに応じて様々な種類があります。

社債の種類による分類普通社債 (株式会社や合同会社が発行できる)
転換社債(株式会社のみが発行できる)
新株予約権付社債
発行方法による分類公募債
私募債
通貨による分類ベトナムドン建て社債
外貨建て社債
担保の有無による分類無担保社債
有担保社債

ベトナム社債の発行方法は、近年公募債の割合が増えつつあるものの、現状では私募債が7割以上と圧倒的に多くなっています。

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 公募債私募債
発行対象不特定多数の投資家に販売100名未満の投資家に販売
投資家個人投資家も対象普通社債‥プロの証券投資家
転換社債‥プロの証券投資家・戦略投資家
発行体の要件厳格寛容
上場可能発行後1年経過したら可能
最低額面金額10万VND程~1億VND~
流動性高い低い
情報公開度高い低い
情報へのアクセスベトナム国家証券委員会(SSC)・
銀行・証券会社等のWEBサイト
ベトナム国家証券委員会(SSC)・
証券取引所・証券会社等のWEBサイト
ベトナム社債の公募債と私募債の違い

ベトナム社債の発行体の事業分野は、金融が約36%、不動産が18.5%(大手不動産会社の不正摘発により発行残高が減少)、製造が15%、エネルギーが12%、インフラが10%となっており、それ以外の事業分野は残る8.5%以内に留まっています。

関連の法規制

ベトナムでは2022年3月以降、ベトナム大手企業による株の不正取引や、債券の不正発行など証券市場の不正が多数発覚。不正を行った企業関係者だけでなく、証券市場の監督を行う国家証券委員会(SSC)からも逮捕者が出ています。

このような相次ぐ不正発覚を受けて、ベトナム政府は社債の発行や取引、投資家の募集などについても法改正を行っています。

本記事執筆時点で有効なベトナム社債に関する最新の政令は、政令08/2023/ND-CP号(2023年3月施行)です。

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政令65/2022/ND-CP号2022年9月施行
政令第153/2020/ND-CP号の改正
・社債発行の目的や発行条件に関する規定や補足。
・国内の私募社債の最低額面金額を1億ドンに修正。
・私募社債を取引できるプロの証券投資家の定義を規定。
・社債権者の代表者に対し、SSCへの取引状況の報告義務を規定。
・社債の募集に関して、信用格付けが必要となる要件を規定。
・社債発行結果に関する情報開示要件を規定。等
政令08/2023/ND-CP号2023年3月施行
政令65/2022/ND-CP号の改正
・発行体が満期に元利金の支払いが不可能な場合には、社債権者の承認があれば、他の資産で元利金の支払いが可能に。
・社債権者が承認すれば、発行体による債券条件の変更が可能に。
・政令65/2022/ND-CP号で規定されたプロの証券投資家の識別に関する規制の効力を2023年末まで停止。
・政令65/2020/ND-CP号で規定された債券の配布時期、政令65/2022/ND-CP号で規定された信用格付け要件の効力を2023年末まで停止。等
ベトナム社債に関する直近の政令 (参考:VIETNAM GOVERNMENT PORTAL)

ベトナムの債券市場に関する法整備はまだ未熟なものが多く、今後も随時改正が行われると見られます。

ベトナム社債の利率

ベトナム債券ディーラー協会(Vietnam Bond Market Association Vietnam Bond Market Association:VBMA)の四半期レポートによると、ベトナム社債の平均的な表面利率と償還期間は以下の通りでした。

 表面利率平均償還期間平均
2022年第2四半期年率6.55%4.04年
2022年第3四半期年率7.17%5.36年
2022年第4四半期年率11.48%5.03年
2023年第1四半期年率10.55%4.14年
2023年第2四半期年率10.04%4.35年
2023年第3四半期年率9.06%5.05年
※ベトナム企業が国内で発行する社債利率には、ベトナム民法に基づき年率20%の法定上限が適用されます。

2023年のベトナム社債の利率は、過去10年間で最高水準となっていますが、直近の動向としては、ベトナム中央銀行(State Bank of Vietnam:SBV)が3月、4月、5月、6月と立て続けに行った4度の利下げに連動して、ベトナム社債のクーポンレートも低下しています。

事業分野別に見ると、ベトナム社債において大きな割合を占める金融分野の平均クーポンレート(表面利率)は7%以上、不動産分野では12%~15%となっています(2023年第3四半期)。

来年は米国連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースが鈍化するという見方もあり、左記シナリオ通りに進んだ場合は、ベトナム中央銀行も利上げを緩和し、ベトナム社債利回りが低下する可能性があります。

ベトナムの日系企業に融資して年利12%:ハイクアインターナショナル

ベトナム社債の平均年利は約6%〜11%、償還期間は約4年〜5年が平均的な数字です。

「もう少し短期間で資産運用できる方法はないか」と考えている方に、ハイクアインターナショナル(以下、ハイクア社)の企業間融資による投資を紹介します。

ハイクア社はベトナムで活躍する日系企業「SAKUKO VIETNAM(以下、SAKUKO)」の会長が社長を兼任する子会社で、日本企業のベトナム進出をサポートしています。

SAKUKOは現在、経済成長真っ只中のベトナムにおいてさらなる事業拡大を計画しており、民間融資だけでなく出資者を募った資金調達も行っています。

投資家はハイクア社に投資し、ハイクア社がSAKUKOに融資、SAKUKOはこの資金を元手に事業を拡大し、貸付利息とともにハイクア社に返済します。

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ハイクアインターナショナルのメリット①年利12%を年4回3%ずつ受け取れる

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SAKUKOの会長でありハイクア社の社長でもあるヤン・スチョル氏は自身のYouTubeチャンネルで情報発信するなど、代表や事業の透明性、信頼性も高い投資先です。

最低投資額は500万円からと、年利10%以上を狙える運用先としてはハードルの低い金額設定です。

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ベトナム社債のリスク

続いて、ベトナム社債のリスクとしては、大きく分けて以下5つのリスクが挙げられます。

1. 政治経済の変化によるリスク(カントリーリスク)

政治経済の不安定化により経済成長が鈍化すると、景気が後退し社債発行体企業の業績も悪化する可能性があります。

またそれにより社債のデフォルトリスクが上昇し、社債価格の下落にも繋がります。

ニューヨーク大学スターン経営大学院金融教授のアスワス・ダモダラン氏の分析を元に作成されたカントリーリスクマップ(2023)によると、2023年のベトナムのカントリーリスクプレミアムは4.6%と、日本の4倍程カントリーリスクが高くなっています。

ベトナムは世界的には比較的政治経済が安定しているとは言われていますが、日本国内への投資と同じ感覚でという訳にはいかないでしょう。

2. 債券発行体企業の信用リスク

社債の発行体企業の財務状況が悪化すると、社債の元利金の支払いが不能になるリスクが上昇し、社債価格の下落にも繋がります。

企業の財務状況の悪化は、純粋な経済活動のもとに引き起こされる場合だけでなく、企業の不正摘発による業務停止などが原因となる場合もあります。

特に2022年以降は、ベトナム国内の大手企業に様々な不正が発覚。不正を働いた企業だけでなく関連分野の多くの企業に悪影響が広がっています。

ベトナム国内の汚職・不正に関連するニュース 一例

・2022年不動産王手企業の会長らが社債の不正発行で逮捕‥日本経済新聞「ベトナム、「反腐敗」がリスクに 経済界大物相次ぎ逮捕」
・2023年新型コロナへの対応をめぐる政府関係者の不正‥ JETRO「副首相2人を同時解任、汚職事件の引責か」
・2023年サイゴン商業銀行の過去最大規模の横領事件‥日本経済新聞「ベトナム民営銀で2兆円横領 GDPの7%相当、中銀も関与」

中でも複数の大手不動産開発業者による社債の不正発覚は、不動産関連の社債価格の下落を招いているだけでなく、ベトナム社債市場全体の信用力低下にも繋がっています。

直近では、既出の政令08/2023/ND-CP号の施行や、ベトナム建設省による不動産市場の支援策により徐々に復活の兆しがあるものの、2023年5月4日には不動産業界の社債残高のうち24.44%がデフォルトを起こしている状態です

ベトナム社債の利回りは、発行体企業の信用度・償還期間・支払い条件・担保の有無などによって決められており、信用度の低い発行体企業の社債や、無担保社債、償還期間が長い社債にはより高い金利が適用されるのが通例です。

言うまでもなく、高い利回りが期待できる反面、投資リスクは高まりますので、社債購入前に発行体企業の経営・財務状況を入念に把握しておくのがおすすめです

3. 為替変動によるリスク

ベトナムドンの為替変動も社債価格や利回りの変動に繋がります。

例えば、為替変動により社債の発行体企業の経営状況が悪化すると、社債の価格も下落やデフォルトリスクと上昇を招きます。

またベトナム社債はベトナムドン建てが殆どです。外国人投資家がベトナムドン建ての社債に投資する場合、為替がドン高になると外貨で見た社債の利回りは低下します。

4. 金利変動による価格変動リスク

一般的に、金利と社債価格は逆相関の関係にあります。つまり、金利が上がると社債価格は下がり、金利が下がると社債価格が上昇します。

また社債価格が下落すると、社債の利率は上昇し、社債価格が上がると、社債の利率は低下します。

債券価格が下落すると、途中で売却する際に損失が発生したり、社債保有中の利息収入の減少に繋がります。

ベトナム中央銀行が政策金利を引き上げれば、市場金利全体の水準が上がるため、社債価格や利率への影響に注意が必要です。

5. 流動性(換金性)に関するリスク

ベトナム社債は、市場規模自体が小さいこと、個人投資家による投資額が少ない(機関投資家が多い)ことなどから市場の流動性が低い状態になっています。

つまり社債の換金性が低いため、満期前に売却したいと思っても売れない、もしくは希望する価格で売却できないとう事態が起こりえます。

ベトナム社債には、満期が1年の短期債、満期~5年の中期債、5年以上の長期債がありますが、流動性リスクを考慮するならば短期債がおすすめです。

以上、ベトナム社債の5つのリスクを解説しました。

ベトナム社債への投資では、分野を分けて投資対象を分散するだけでなく、発行体企業の財務健全性や業界の動向などを徹底的に調査しておくことでリスク軽減に繋げることができるでしょう

ベトナム社債の購入要件

ベトナム社債市場の大部分を占める私募債は、誰でも購入できるわけではなく、外国人投資家がベトナム債券に投資するにはある一定の条件を満たす必要があります。

外国人投資家の場合、私募の社債はプロの証券投資家のみが購入可能とされており、プロの証券投資家(法人)は、銀行・証券会社・投資ファンド・国際金融機関など、証券法に定義された財務能力または証券の専門的知識を有する投資家である必要があります。

外国人投資家はベトナムの証券会社や社債の発行体企業に直接アクセスして私募債の情報を取得します。

上記条件に当てはまらない一般投資家はベトナム私募社債を直接購入することはできないため、現地私募社債に投資する投資信託や投資ファンドを通じて投資することになるでしょう。

公募社債については現地証券会社を通じて購入が可能です。

ベトナム社債に関連する質問

ここまでベトナム社債市場の現状や仕組み、利回りやリスクについて解説しました。

最後にベトナム社債市場に関するよくある質問をまとめましたので併せてご参考ください。

不動産業界の景気が停滞しているのはなぜですか?

ベトナムでは2022年以降、Tan Hoang Minh Groupをはじめ複数の大手不動産開発業者の不正な社債発行が発覚しました。

それにより不動産業界に対する信用度が低下し、同業界の資金繰りが悪化したことから、大規模なプロジェクト中断が発生。同時に不動産価格も下落し、不動産危機を引き起こしました。

その後ベトナム政府が不動産業界に対して特例の支援措置を開始したため、徐々にではあるものの不動産業界の景気は再び回復基調にあります。

市場の課題は何ですか?

ベトナム社債市場は近年拡大傾向にあるものの、さらに市場が賑わうには以下の課題の解決が必要でしょう。

  1. 社債市場の法規制やシステムの改善(不正への対処や予防策)
  2. 社債の発行体や社債の使用目的に関する透明性の向上
  3. 社債市場の流動性の向上
  4. 市場に関する正確な情報の開示

ベトナム社債市場は再び活性化する見込みがありますか?

課題はまだ残されているものの、2022年~2023年にかけては社債の発行や取引に関する制度の改善が進みました。

これらの取り組みの効果により、2024年以降は社債市場の信頼回復、発行額の回復、社債のデフォルトペースの後退が期待されており、より安全かつ持続可能な発展段階に繋がると予想されています

また2023年7月にはハノイ証券取引所に私募社債取引システムの運用が開始され、今後1600を超える債券が登録されるとされています。取引所の開設は、投資家に私募債市場の透明性が向上と管理体制の強化に繋がるため、市場の復活を促進させることが期待されています。

社債の情報はどこで得られますか?

ベトナム社債について日本語で書かれた情報は非常に限られているのが現状です。ベトナム社債についての詳細な情報を得るには、現状ベトナムの関連機関が提供する情報や、海外メディア等を参考にする必要があります。

国内のベトナム関連メディア

ベトナム証券に投資できるENF基金とは?

ENF基金(Eastspring Investments Vietnam Navigator Fund)は、ベトナムの株式市場や社債を含む国内債券等に投資するオープンエンド型の投資信託です。

しかし、同ファンドの運用開始から現在までのファクトシートによると、ポートフォリオにおけるベトナム国内債券の割合は0%~5%程に留まっており、株式中心の運用となっています。

外国人投資家の出資については、ベトナム大手証券会社「SSI証券」の商品詳細をご覧ください。

まとめ:ベトナム社債は成長段階にある

以上、本記事ではベトナム社債市場についてまとめました。

急速な経済成長に伴い発展しつつあるベトナム社債市場ですが、市場規模・市場規制・流動性・透明性などの改善については、まだ課題が多く残されています。

高利回りが期待できる一方、リスクを抑えた投資を行うには、社債の発行体や業界について事前に徹底してデューデリジェンスを行うことが大切です

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引用:BMキャピタル公式

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