花鯛と浅利の昆布水つけそば・もち姫太麺＠ルリカケス・江東区木場

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麺屋　ルリカケス
　　江東区東陽3-6-2　小鳥居ビル１階

　土曜日の夜営業から提供を始めた限定メニュー。こちらのお店では、限定メニューでもその日限りということは滅多になく普通は２〜３日提供するので、日曜日のこの日も提供があるのかアナウンスを待っていたが一向に情報発信がない。営業開始直前の10時50分になってようやく「限定つけ麺残り20食ほどです。もち姫太麺は６食分で、無くなり次第平打ち麺で提供します。」とツイートされた。今からでは11時の開店時間には間に合わない上に、１巡目のお客が食べ終えて退店し始める11時半頃まで店頭で待たなければならない。一方で、最近の傾向では、お昼時が近づいても２巡目以降はそれほど混まないので11時45分にお店に着くことを目指した。狙いどおりの時間に着くと何と４人が並んでいる。日曜日だからだろうか。それでも10分ほどで入店でき、入ってすぐの右手にある券売機で標記の食券を発券した。1100円。ちなみに、味玉とワンタンが追加され、チャーシューと海苔が増しになる特製は1550円。いつもは特製を頼むが、今回は純粋に麺とつけダレを味わいたかったのでノーマルにした。食券を渡す際、助手の男性従業員に「もち姫残ってますか？」と尋ねると「有ります。あと１食か２食ですが。」と嬉しい返事があった。
　配膳された麺とつけダレを見ると、トロトロの昆布水に淡い褐色で幅が１〜１.５cmほどと不揃いな麺が浸かっていて、麺の上に２種類のチャーシュー、太メンマ、ローストミニトマトが載っている。一方、つけダレの丼には、少し濁ってはいるがほとんど色が付いていないつけダレに駒切りの白ネギとざく切りされた三つ葉が浮いている。まずは麺をそのまんまチュルリと。加水率が54％の超多加水麺で厚みもあるため、麺というよりはすいとん、それも大分県の郷土料理であるだんご汁のだんごに似た、お餅のようにモチモチした食感だ。また、麺をよく見ると淡い褐色の麺肌に茶色い粒々粒が混じっているのが分かる。全粒粉を混ぜてあるようで、このお陰か、冷たい昆布水に浸かっているのに小麦の豊かな風味を感じる。イメージで言えば、新宿区西早稲田の間借り営業の某店の麺と近いかな。昆布水は昆布の旨味が十分に出ていてトロントロン。薄っすらと塩味が付いているので、麺をつけダレに潜らせなくてもそのままでいくらでも食べられそうだ。とは言え、それではせっかくの花鯛と浅利のつけダレが無駄になってしまうので、何本かの試食の後はちゃんとつけダレに潜らせてから食べることにした。花鯛は標準和名をチダイといい、普通「鯛」と呼ぶマダイとは別の魚だが、マダイ同様大変美味しい魚である。その花鯛の身の方は限定ご飯に使い、残ったアラを浅利と一緒に炊き出して出汁にしたのではないかと思う。つけダレには魚介の風味はしっかりあるものの、麺が旨み濃厚な昆布水をまとっているので魚介風味以外は正直ほとんど感じなかった。ちょっと味見しようとレンゲですくって口に運んだがいやーしょっぱい！つけ麺のつけダレでしかも麺に絡む昆布水で薄まる前だからしょっぱくて当たり前だが、そのため味はさっぱり分からなかった。とにかく、昆布の旨味と魚介風味をまとった200g以上はあるモッチモチの麺を１本ずつズルズルとすすり続けた。旨い以外の何物でもない。チャーシューは肩ロースとモモ肉で、どちらも低温調理されたもの。肩ロースの方はやや厚めにカットしてあり、それでもサクッと歯が入り旨味も十分。モモ肉は薄めのスライスで「しょっぱくない生ハム」のような味わい。どちらも美味であることは間違いない。太メンマは見た目とは裏腹に結構軟らかめで、特有の発酵臭、味付けとも控えめ。なぜローストしたミニトマトが載るのか不思議な気がするが、軽い酸味がしっかりとした魚介の風味を持つつけダレとピッタリだ。
　麺と具材を食べ終えていつものようにスープ割をお願いしようかと考えたが、麺鉢に残った昆布水がもったいなく思えたので、昆布水をつけダレに移してスープ割にした。前述のように昆布水には薄い塩味があるのでスープ割にしてもまだしょっぱかったし、一気に冷たくなってしまったが、その辺りは自己責任と心の中で唱えながら完食。次は何かな、楽しみだ。

・お気に入り度：〇＋

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