特製鶏つけそば@ルリカケス・江東区木場
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麺屋 ルリカケス
江東区東陽3-6-2 小鳥居ビル1階
オープン当初は醤油そばにメニューを絞り込んで営業していたが、その後は7月下旬に塩そばを、そして8月上旬には細麺タイプの鶏つけそばをと徐々にメニューを増やしていった。今では、それらに加えて太麺タイプの濃厚つけそばや不定期ながら鰯煮干そばも提供している。さらに、ゲリラ的に油そばやまぜそばを出すこともあるようで、引き出しの多い店主さんの本領いよいよ発揮となってきたようだ。そんな中、鶏つけそばの高評価が聞こえるようになってきたので平日のお昼に訪れた。着いたのは11時半少し前。店内に入ると先客は3名しかいなかった。入口ドアのすぐ先にある券売機で標記のボタンをポチっとな。1500円。ノーマルは1050円だが、特製にするとトッピングが追加されるだけではなく、群馬県桐生市の名物ひもかわうどんのような幅広麺60gを合い盛にしてくれるので、これなら特選にするしかないだろう。
測ってはいなかったが10分ほどで配膳されたと思う。麺側の器には自家製麺3種類とチャーシュー2種類、メンマ、海苔に薬味の鷹の爪が、またつけダレ側には味玉、肉ワンタン、鶏つみれに薬味のそれぞれ木口切りされた長ネギと九条ネギが入っている。まずは、麺をつけダレに潜らせずにそのまま食べてみる。手前側にあるのがストレートの平打ち麺。麺幅は3mm弱ぐらいだろうか。麺肌はつるりと、噛むとしかっりとした歯ごたえはあるものの、それは硬さというよりもコシの強さのようで、少し噛んでいるとちゃんと噛み切れる。この麺は、それほど強くはないものの小麦の風味も感じられる。ネット情報によれば、岩手県産もち小麦粉の「もち姫」と福岡県産中力粉の「チクゴイズミ」をブレンドし、加水率35%にした麺帯を14番の切刃で麺にしたものとのこと。次いで、奥側にある麺を引き出して食べてみる。こちらは緩くよじれた中細麺。歯応えがあるというよりは硬い印象で、細めの麺なのに簡単には噛み切れない。したがって食感もコキッ、ボキッ、パキッみたいに思える。小麦の風味はあまり案じられなかった。こちらは20番切歯使用で加水率30%の低加水麺。最後は幅広麺。見た目通りツルツルのモッチモチで、すいとんとは違って噛み応えもある。岩手県産もち小麦粉の「もち姫」で作った麺帯を手切りしているため、麺の幅が2cm弱から3cmほどまでと不ぞろいだ。3種の麺の味見を終えたのでつけダレに潜らせて普通に食べる。つけダレの第一印象は鶏の風味が強烈なこと。これはつけダレに加えた鶏油の効果だと思うが、よほど香りがよい鶏油が取れる鶏を使っているのだろう。つけダレ自体は醤油そばのスープとは違って魚介は使わずに、鶏出汁に風味の良い醤油を使って仕上げてるようで、カドは取れているししょっぱくもないが、鶏油に次いで醤油の風味をしっかりと感じる。チャーシューは肩ロースとモモのどちらもレアチャーで、珍しいことに肩ロースよりもモモのほうが軟らかい。肩ロースは旨味が濃く、噛めば噛むほど旨味が出てくるような気がする
。一方、モモは驚くほど軟らかく、食感だけだととてもモモとは思えないほど。こちらも当然肉の味はあるもののさっぱりと、後を引かない印象だ。味玉は見た目とは違って、濃厚さも感じられる少しゼリー状になった半熟の黄身にまで味がしみ込んでいて、美味しく頂いた。肉ワンタンは、餡が親指の爪くらいの大きさのテルテル坊主型で、餡の味わいと皮の食感がチャーシューや麺とは違った美味しさをもたらしてくれる。鶏つみれは、団子が変形しただけかもしれないが、ショウガか強めに香る一方、味付けはかなり薄めでちょっとミスマッチな気がした。ミニ枕木メンマは、シャキシャキと太さの割にはおとなしめの食感で、メンマらしい風味が少し味わえた。麺と具材を食べ終えたので店主さんに声をかけると、つけダレの小丼を一旦厨房に引き取り、ポットに入った割スープを加えて戻してくれた。味わいからすると割スープはカツオ出汁のようで、まさに醤油ラーメンのスープと化したつけダレを飲み干すと、お腹もちょうどいい具合になった。
つけ麺を半分ほど食べ進んで頃からお客が次々にやってきて、退店時には行列ができ始めるくらいだった。猛暑が続くようになって以降、客足が遠のいたのが気になっていたが、もうしばらくは厳しい状況が続きそうだ。それにしても、何種類もの麺を打ち、何種類ものスープを用意し、手の込んだ具材も準備して…を全部一人でやっている磯脇店主さんは大丈夫なんだろうか?
・お気に入り度:〇+
アルバム: 東京のラーメン・その3
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