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おれは内容のない空しい人間かもしれない、とつくるは思う。しかし、こうして中身を欠いていればこそ、たとえ一時的であれ、そこに居場所を見いだしてくれた人々もいたのだ。夜に活動する孤独な鳥が、どこかの無人の屋根裏に、昼間の安全な休息場所を求めるように。鳥たちはおそらくその空っぽの、薄暗く静まりかえった空間を好ましいものとしたのだ。とすれば、つくるは自分が空虚であることをむしろ喜ぶべきなのかもしれない。
アルバム: 小説の抜粋
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コメント (2)
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俺はモグラかな。
2017年1月5日 18:56 イクジスタン (0)
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俺は鳥そのものだ。
2017年1月4日 19:23 退会ユーザー